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自分や自分の家族が歩行中に事故にあった場合、たいていの人は、自分のクルマにかけた保険に請求できるとは思わず、自分のクルマの保険会社には連絡もしないというケースがあります。しかし、それは大きな間違いです。とにかく、家族が事故にあったときは、どんな事故でも、まずは、自分のクルマにかけている保険会社にただちに連絡してください。相手から賠償金を取るのは当然ですが、「自分のクルマの保険も利用できる」ということをよく覚えておいてください。 現在、自動車保険の中身は複雑化しており、弁護士や保険会社の担当者でも、よく理解していないことがあります。自分の保険証券をよく読んで、どんな保険に加入しているのか、日ごろから確認しておいたほうがよいです。 主な保険は、以下のとおりです。 |
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これは昭和50年代から普及しはじめた保険です。 自分や自分の家族が交通事故で死亡したり後遺障害が残った場合に、その損害賠償を加害者に請求できることは当然です。しかし、その額は、場合によっては数千万円〜数億円になります。前述のとおり、これだけの金額になると、とても個人で払いきれるものではなく、相手が保険に加入していないと、いくら裁判で勝っても、結局、払ってもらえないことになります。そのような場合に備えて「相手が任意保険に加入していない場合に、自分のクルマの保険会社が、相手の賠償金を立て替えて払ってくれる」という、ありがたい保険です。 この保険の被保険者は、意外と広範囲になっており、適用されるケースはかなりあります。例えば、札幌在住のAさんの息子のB君が、東京の大学に進学して、東京で一人暮らしをしているときに、歩行中に無保険のクルマにはねられた、というようなケースでもAさんのクルマに無保険車傷害保険がかけられていれば、補償対象となります。自分で「適用にはならないだろう。」と判断せずに、まずは保険会社に連絡をすることです。 |
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この保険は「過失割合に関係なく全額を補償する」という触れ込みで、平成10年頃から普及しはじめた保険です。現在では、ほとんどの保険会社の自家用自動車総合保険に標準的に付保されています。 交通事故の場合には、通常、過失割合によって賠償額が決まります。例えば、交差点での衝突事故の場合、自分が優先道路であっても、原則として2割の過失相殺がされてしまいます。そうすると、2割部分については、賠償を受けられないことになります。そこで、この保険は、過失割合に関係なく、自分の契約している保険会社が傷害保険として、100%の補償を行うことにしたのです。ですから、加害者の存在しない「自損事故」でも補償されることになります。 ただし「100%」と言うと、いかにも素晴らしい保険のように聞こえますが、人身傷害保険の支払は、あくまでも保険会社の基準にしたがった保険金しか支払われません。保険会社の基準は、裁判基準よりもかなり安い点には注意が必要です。つまり、加害者が100%悪い事故であれば、裁判をして加害者から回収したほうが良いわけですから、この保険には、それほど意味はありません。しかし、自分にも過失がある場合には、大いに利用できる保険です。「傷害保険」の一種ですので、歩行中の事故にも適用されます。 |
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※人身傷害補償保険は過失割合を問わずに補償してくれますが、金額の算定基準が裁判基準よりも低めなのです。ですから、保険会社が、人身傷害補償保険を「完全補償」などと表現して宣伝するのは、やや誇大広告といえます。2003年には、大阪弁護士会からも「誤解をまねく」として、クレームがつけられ、一部保険会社は広告内容を変更しています。 |
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また、無保険車傷害保険と人身傷害保険は、重複しては使えません。 無保険車傷害と人身傷害は、「賠償責任保険」が中心だった自動車保険に、「傷害保険」という異質の保険を組み合わせた保険商品ですので、非常にややこしい保険です。特に、過失がある場合に、人身傷害補償保険の保険金をもらった後、足りない部分を加害者に請求する場合の金額の計算や、逆に、加害者に対して裁判で請求した後、過失部分だけを人身傷害補償保険から保険金を貰う場合の計算などは、かなり複雑(見解も分かれていますし、最高裁の判例もありません。)なので、弁護士に相談してみてください。 |
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※ちなみに人身傷害補償保険の過失割合に応じた保険金の計算方法について、各社の計算方法が異なることについて週刊朝日(06年7月28日号)で報道され問題視されています。平成19年2月に東京地裁交通部で判決がでましたが、今後の動向が注目されます。 |
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搭乗者傷害保険は、事故にあった場合に、そのクルマに搭乗していた人に定額の保険金が支払われるものです。金額は死亡で1000〜1500万円くらいのタイプが主流ですので、それほど高額ではありませんが、人身傷害や無保険車傷害とは異なり、賠償額の調整の必要がないので、被害者にとっては重要な保険です(法的には「損益相殺」の対象とならないので、受領額を差し引かれない。)。 |
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自損事故保険(相手のいない自損事故の場合に、定額の保険金を支払う。)、他車運転危険補償特約(自分のクルマではない他人の自動車を運転しているときに発生した事故についての賠償責任を負担してくれる保険)、弁護士費用担保特約(弁護士費用の一定部分を支払ってくれる保険)などがあります。せっかく高い保険料を払っているのですから、自分の保険がどういうときに利用できるのか、よく確認しておき、とにかく、事故があったときは、まずは自分のクルマにかけている保険の契約保険会社に電話連絡をしましょう。 |
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